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電磁探査

電磁探査法は、電気探査法と同様に地層を構成する物質の比抵抗の違いに着目し、地下の構造や状態、地下資源の存在などを調査する探査法です。電気探査法が大地に直接電流を流すのに対し、電磁探査法は大地に入射した電磁波に由来する電磁応答を扱います。
電磁探査法には、磁場のみを測定する方法(Electro-Magnetic:EM法)と、電場と磁場を測定する方法(Magneto-Telluric:MT法)があります。MT法は地球上で発生する磁気嵐や雷などの自然信号を利用し、磁場および電場を測定することで地下構造を探査する方法であり、資源や地熱などの広域・大深度(地下数km)を探査する方法ですが、自然信号の不安定さが欠点になります。MT法の短所をなくす方法として考案されたのが、人工的に大地に大電流を流して安定性のある信号を得る方法(Controlled Source Auudio-frequency MT:CSAMT法)であり、探査深度が地表下1km程度までを対象とした地熱・温泉などの探査に多く用いられています。また、人工的な信号源として、潜水艦との通信に使われているVLF送信局から放射される電磁波を用いる方法(Very Low Frequency EM:VLF-EM法)もあります。

MT法

【原 理】

MT(Magneto-Telluric:地磁気地電流)法は、磁場センサと電場センサで自然の地磁気と地電流を観測して地下深部の地下構造を探査する探査法です。探査の対象となる深度は地下数kmであり、人工的な電磁波を利用するCSAMT法に比べより深部までの比抵抗分布の把握が可能になります。

【測定方法】

MT法は、太陽活動に関連する地磁気脈動や雷の放電による自然の電磁波を信号源とします。測定はノイズの少ない夜間に観測を行うのが一般的ですが、信号の弱いときや調査域の人工ノイズが強い場合には良質なデータ取得が難しい場合があります。
そうした場合、観測日数を増やして対応する他にリモートリファレンスという処理を行うことによりノイズを除去する方法が使われます。これは、調査地域から数10km以上離れた地域に固定観測点(リモート観測点)を設け、調査地域内の測点と同時観測を行います。 測定は、リモート点および各測点で磁場3成分と電場2成分の計5成分を測定します。磁場測定ではインダクションコイルを用いて、互いに直交する2方向及び鉛直方向(Hx、Hy、Hz)を測定します。電場測定では非分極電極を用いて互いに直交する2方向(Ex、Ey)を測定します。

■電磁探査 MT法測定模式図
電磁探査 CSAMT法 MT法測定模式図

■電磁探査 MT法測定機器
電磁探査 CSAMT法 MT法測定機器

■見掛比抵抗曲線例
電磁探査 CSAMT法 見掛比抵抗曲線例

CSAMT法

【原 理】

CSAMT(Controlled-Source Audio-frequency Magneto-telluric)法は、人工的に発生させた電磁波を利用する探査法です。可探深度は自然信号を利用するMT法に及びませんが、人工信号源を用いることから安定性のある信号を取得することができるため簡便かつ効率的な測定が可能になります。
地表の2点で接地した電線に交流電流を流すと電線の周囲から電磁波が放射され、3〜7km程度離れた地点では平面波の電磁波として近似されます。このような電磁波が地盤に透入する深度は、周波数によって到達深度が異なってきます。周波数が高い場合では浅く、周波数が低くなるに従って地下深部まで到達します。これにより、地下深部までの比抵抗分布を求めることができます。

【測定方法】

対象地から3〜7km離れた地点に0.5〜2kmの送信アンテナを設置し、あらかじめ設定されたタイムテーブルに従って、大電流を地面に流し、電磁波を送信します。送信周波数は0.625〜5.12kHzの14波(binary SteP)です。
調査地点となる受信地点では、電場センサーとして電極をアンテナと平行に15〜30mの間隔で設置し、これに直交する方向に磁場センサーを設置します。送信側と同じタイムテーブルを用いて、送信された各周波数に対応する誘導電磁場強度を測定します。

■電磁探査 CSAMT法
電磁探査 MT法 MT測定模式図
【適用限界】
■CSAMT法 調査結果事例 平面図
■CSAMT法 調査結果事例 断面図
CSAMT法 調査結果事例 平面図

※図をクリックすると拡大図が表示されます。

CSAMT法 調査結果事例 断面図

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■CSAMT法 調査結果事例 立体図
CSAMT法 調査結果事例 立体図

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VLF(Very Low Frequency)法

【原 理】

VLF(Very Low Frequency)法は、潜水艦との交信を目的として送信されている3〜30kHzのVLF帯の電磁波を利用する探査法です。VLF法には、1次磁場と2次磁場の合成で作られる楕円分極の傾きを測定するVLF-EM法と、CSAMT法のように磁場と電場の比から見掛比抵抗を測定するVLF-MT法とに分けられます。
VLF発信局は、世界各地にあり、常時大電力で電波を発信しています。日本では、宮崎県えびの通信所(JJI)から、22.2kHz、500Wの送信が行われています。

■VLF法 測定概念図
VLF法 測定概念図
■VLF発信局
VLF発信局
【測定方法】
【特 徴】
【適用限界】

EM探査

【原 理】

EM探査とは、Electro-Magnetic-methodS(電磁法)とよばれる電磁探査の一種で、地中における誘導電磁場の応答から、地盤の比抵抗値の逆数である導電率(conductivity)および磁化率(magnetic SuScePtibility)を測定します。
測定装置であるGEM-2(GeoPhex社)を用いたEM探査(多周波数型電磁法)は、電磁波は周波数の違いによって透入深度が異なることを利用し、深度方向の導電率の変化を調べることができます。周波数と深度の関係は、周波数が高い電磁波は浅層部分の地盤状況を、周波数が低い電磁波は深層部分の地盤の状況を反映します。
導電率(単位:S / m・・・シーメンス・パー・メートル)とは電流の流れやすさを表す物理量で、その値から地質の種類や地下水の有無といった地下の構造を推定します。また、磁化率とは磁化と磁場を関係づける比例定数で、物質の磁化の程度を表します。

■EM探査 測定概念図 原理
EM探査 測定概念図 原理
【測定方法】

広範囲を調査するときにメッシュ状に測線を設定し、歩行しながら測定する推測航法と二次元断面解析を行うときに各測点で5~10秒間静止して測定する定点観測法があり、目的および出力する解析結果によって選択します。

■EM探査 測定概略図
推測航法
EM探査 測定概略図
定点観測法
EM探査 測定概略図
■EM探査 測定器
■EM探査 測定状況
EM探査 測定器 EM探査 測定状況
【特 徴】
【適用限界】

現在、GEM-2を用いたEM探査は平面的な異物のマッピングを目的とする概略調査として用いており、概略調査の結果を用いて精査箇所を限定し、他の探査方法やサウンディングやボーリングを用いて深度を確認する必要があります。また、調査対象地の周辺に金属体や送電線といったノイズ源がある場合、S / N比が急激に低下するため測定が困難になります。

『調査対象』

■EM探査 調査実施例 断面図
■EM探査 調査実施例 平面図
EM探査 調査実施例 断面図

※図をクリックすると拡大図が表示されます。

EM探査 調査実施例 平面図

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