微動探査
地震が無くても地面は常に揺れています。ただし、この揺れは人が感じないくらい微小な揺れのため高感度の地震計でなければ観測することができません。こうした揺れは「微動」と呼ばれていますが、微動の地盤調査への活用としては二つの考え方があります。
一つは以前から行われている「常時微動測定」です。これは微動の卓越周期や微動のスペクトル比などから地震動の卓越周期や増幅特性を推定しようとするもので、主に1秒以下の周期の波動を対象とした単点配置で行われるのが通常です。もう一つの「微動アレイ探査」は、微動の伝播性状から地下の速度構造(S波速度構造)を推定しようとするものです。主に1秒以上の長周期を対象にし、アレイ配置を基本とします。
一つは以前から行われている「常時微動測定」です。これは微動の卓越周期や微動のスペクトル比などから地震動の卓越周期や増幅特性を推定しようとするもので、主に1秒以下の周期の波動を対象とした単点配置で行われるのが通常です。もう一つの「微動アレイ探査」は、微動の伝播性状から地下の速度構造(S波速度構造)を推定しようとするものです。主に1秒以上の長周期を対象にし、アレイ配置を基本とします。
常時微動探査
【原 理】
地表付近に常時存在している微振動を測定し、地盤固有の振動特性による周期スペクトルを求めることにより、工学的な地盤種別を求めます。
■常時微動測定 測定概念図
【測定方法】
- 地表面および任意の孔中に微動計を設置します。
- 微動計の捕えた微振動を収録します。
- 収録された微振動からスペクトル図を作成します。
- 地表および孔中のスペクトル図を比較し、地盤固有の卓越周期を求めます。
■データロガー |
■微動計 |
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【特徴・適用限界】
- 地盤固有の周波数特性を知ることができ、高層建築や耐震設計に用いられます。
- 交通振動や風・波浪等の影響を受けやすい。
- 常時微動の本質を説明できる理論は未だになく、結果論的な傾向が強い
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微動アレイ探査
【原 理】
多点での微動を同時観測し、得られた表面波の位相速度を逆解析して、地盤のS波構造を推定します。
■微動アレイ探査 測定概念図
【測定方法】
- 推定する深度に合わせて予めアレイを決め、微動計を設置します。
- 微動計の捕えた微振動を収録します。
- アレイ径を変えて収録を繰り返します。
- 収録された微振動を元に、空間自己相関法やFKスペクトル法によりレーリー波(表面波の1種)の位相速度を推定します。
- 成層構造のモデルを仮定し、位相速度の逆解析を行います。
- 様々な最適化手法を用い、S波速度と層厚を決定します。
【特徴・適用限界】
- 地盤の直接掘削を必要とせずに、深部のS波構造を推測できます。
- アレイ径を変えることにより推定するS波構造を変えることができます。
- 複数台の長周期微動計を必要とします。
- 複雑な構造の推定はできません。
■ハドルテスト状況
■小規模微動アレイ測定状況
■微動アレイ探査 解析結果例
分散曲線 | S波速度構造 |
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