地質構造・地盤の土木工学的調査

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斜面防災調査

自然斜面は地形を特徴づける重要な構成要素です。地盤にレベル差がつくと風化,侵食,運搬,堆積の作用で斜面の形成が始まり、形成の速さや形は山地を構成する地層,岩石およびその構造によって変化します。
自然斜面はまた、種々の要因によって形成され、絶え間なく変化するものであって、我々が現在見ている斜面は長い歴史的変化の一場面です。この変化は一見して緩慢に見える場合もありますが、断続的に急激に起こる場合もあります。急激に起こる場合は山崩れ、地すべりなどとなって我々に多大の被害を及ぼすことになります。
これらの被害を未然に防ぐ事が自然との共存であり、まず斜面の構造(地質状況)を把握する事が必要不可欠です。斜面を対象とした主なる物理探査手法を下表にまとめましたが、斜面の状況および構成土層等を考慮し、適切な調査を実施することが望まれます。

各探査手法の適用評価

手 法 屈折法地震探査 比抵抗2次元探査 比抵抗3次元探査
得られる物性値 弾性波速度
(km/sec)
電気比抵抗
(Ω-m)
電気比抵抗
(Ω-m)
地質分布や構造線
断層の位置や規模
地下水や水文状況 ×
空洞や埋没物
掘削の難易性や
岩盤の硬軟状況
× ×
地質的な弱線部
すべり面の三次元的な分布

結果例

■屈折法地震探査(高密度)の結果例
屈折法地震探査(高密度)の結果例

※図をクリックすると拡大図が表示されます。

■比抵抗2次元探査の結果例
比抵抗2次元探査の結果例

※図をクリックすると拡大図が表示されます。

※近年では、社会のニーズが三次元または時間変化を捉える四次元へと向いており、大容量データの取得や解析に必要な機器の急速な性能向上,画像処理表示技術の向上も手伝って、従来の比抵抗二次元探査を更に高密度化させた『比抵抗三次元探査』が確立されてきました。
まだ、斜面防災調査の現場における実績には乏しいものがありますが、現在様々な機関により研究・改良が重ねられています。

■比抵抗3次元探査の結果例
比抵抗3次元探査の結果例

※図をクリックすると拡大図が表示されます。