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構造物基礎根入れ調査

調査概要

シールド及び推進工法における障害物調査
構造物基礎根入れ調査

都市土木におけるシールド及び推進工事においてその掘進ルート上に既設構造物が存在しその基礎杭が工事の障害となることが多くなっています。その際、事前に基礎杭の根入れ深さを調査し、ルート変更及び撤去等の対策を行うことが重要となります。
杭の根入れ調査は既設構造物において耐久性及び耐震性の検討を行う際にも必要となり、その調査法は年々増加しています。
調査方法は下表に示す通りで、対象杭近傍(0.5〜1.5m)位置にボーリングを設置し、そのボーリング孔を用いて調査します。ボーリング深度はシールド掘進レベル及び根入れ深さより3〜5m以深とし、速度検層・磁気検層では孔径Φ66mm、ボアホールレーダでは孔径Φ76mmが必要です。

■各探査手法の精度評価
杭の種類 各探査手法の精度評価
(A)速度検層 (B)磁気検層 (C)ボアホールレーダ
鋼矢板
鋼管杭
PC杭
場所打ち杭
松杭 ×
調査孔と
対象物の距離(m)
0.5〜1.0m以内 0.5〜1.5m以内 0.5m以内
測定条件 地表に対象杭その物、又は対象杭と連続した構造物が露出していること。 対象物が金属であること、又は鉄筋を含むものであること。非金属は無反応。調査孔はVP50以上。 調査孔と対象物の距離を0.5m以内に近づける。又、ボーリング孔にVP65以上の塩ビ管挿入が必要。

手法概要

速度検層
(A)速度検層

速度検層は、対象杭側面を打撃した時に発生した波動が杭内部を伝播し、対象杭を抜けた後は地盤を伝播することから、両者の伝播速度を走時曲線の変曲点として評価し、根入れ深度を決定する探査方法です。
矢板、鋼管杭、PC杭、場所打ち杭などに対して有効であり、ボーリング孔は対象物から1.0m以内を目安に配置します。
尚、松杭の場合は精度を高める必要があるため、ボーリング孔は0.5m以内を目安に配置します。測定はボーリング孔内にハイドロホン受振器を挿入した状態で対象杭をハンマーで打撃し、弾性波動を発生させ受振器でその波を観測します。

速度検層
(B)磁気検層

磁気検層は、「鉛直磁気探査」ともよばれ、鋼矢板・鋼管杭・PC杭・場所打ち杭といった金属を使用した杭に有効な手法です。ボーリング孔は対象物から1.5m以内を目安に配置します。
ゾンデには上部と下部の二箇所に磁気検知コイルが内蔵されており、内蔵コイルが検知した磁気強度変化を電気信号に変換して測定器本体に記録します。波形のピーク値などから杭の根入れ深度を把握することができます。

速度検層
(C)ボアホールレーダ

地中レーダ探査のアンテナをボーリング孔内用に改良挿入して電磁波を放射し、杭からの反射波を測定することで根入れ深度を二次元の断面図で表すことの出来る探査方法です。測定対象物は鋼矢板、鋼管杭、PC杭、場所打ち杭などに有効です。対象物が松杭の場合は、地盤状況によって有効性が変わります。
ボーリング孔は対象物から0.5m以内を目安に配置する必要があります。ボアホールレーダの記録はボーリング孔と対象杭の距離に大きく左右されるため、より近傍であるほど良質なデータを取得することができます。
また、ボーリングを斜孔にすることにより、杭の配列や間隔を把握することも可能です。

結果例

結果例