地下埋設物・空洞調査
近年、都市土木及び建築構造物の新設工事において、基礎地盤中に存在する空洞や地下埋設物が設計・施工上の障害となるケースが多くなっています。
なかでも、市街地域における埋設ガス管の破壊、空洞による地盤の沈下・陥没等は危険性が高くその調査が重要となっています。また“負の遺産”とも言える廃棄物(不法投棄された廃棄物や、図面の散逸で詳細不明な廃棄物など)の分布・ボリュームの推定を目的とした調査も増えつつあります。
これら埋設物、空洞調査はその対象物及び深度により各種の探査法が適用されており、適切な探査法を選定することが重要です。
各種探査方法の適応性を以下の表にまとめましたので参考にして探査方法を選択してください。
各種探査方法の適応性
探査方法 | 電気探査 | 電磁探査 | 地震探査 | ファイバースコープ | |||||
比抵抗2次元探査 比抵抗3次元探査 |
比抵抗トモグラフィ | 地下レーダー探査 | EM法 | 表面波探査 | 浅層反射法 | 弾性波トモグラフィ | ファイバースコープ | ||
物性値 | 比抵抗値 | 比抵抗値 | 反射断面 | 導電率・比抵抗値・磁化率 | S波速度 | 反射断面 | P波速度 | 画像 | |
可深深度 | 20m以内 | ボーリング掘進長による | 2m程度 | 10m程度 | 15m | 数m〜数10m | ボーリング掘進長による | ケーブル長による | |
分解能 | 電極間隔以上深くなると分解能低下 | ボーリングの孔間距離による | 数cm〜数10cm程度 | 1m以上 | 1m以上 | 数m以上 | ボーリングの孔間距離による | 数cm以上の空洞 | |
検出方法 | 地盤と対象物との比抵抗値のコントラスト | 地盤と対象物との比抵抗値のコントラスト | 反射波の連続性や回折波のパターン | 伝導率・磁化率の異常箇所 | 地盤と対象物との速度値のコントラスト | 反射波の連続性や回折波のパターン | 地盤と対象物との速度値のコントラスト | 画像 | |
作業性 | △ | △ | ◎ | ◎ | ○ | × | △ | ◎ | |
問題点 | 電極の接地が必要.地表に導電体が存在すると影響を受ける。 | ボーリング孔が必要になるため、経費と時間が掛かる | 地下水以深× コンクリート厚大× |
送電線、建物などの導電体の近傍ではS/N比が急激に低下する | 外部振動に弱い | 外部振動に弱い | ボーリング孔が必要になるため、経費と時間が掛かる | 非開口の場合は削孔が必要。レーダ等により検出された空洞の確認調査 | |
適用性 | 埋設物 | ○ | ○ | ◎ | 導電体:◎ 非導電体:△ |
○ | △ | △ | − |
空洞 | ○ | ○ | ○ | △ | 高密度:× 定常振動法:○ |
△ | △ | ○ |
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